『ゲゲゲの鬼太郎』5−ニャニャニャ  

ゲゲゲの鬼太郎 セレクション ニャニャニャのネコ娘 [DVD]

ゲゲゲの鬼太郎 セレクション ニャニャニャのネコ娘 [DVD]

 
テレビアニメ第五期『ゲゲゲの鬼太郎』のネコ娘をクローズアップしたDVD『ニャニャニャのネコ娘』を購入しました。
発売されてから大分時間が経っていますが、なぜ今更の購入、レビューかというと、このDVD発売したのに気が付かなかったからです。四月に打ち切りになってから、『鬼太郎』関係の情報を殆どチェックしてなかったから見逃してしまっていました。
私はネコ娘が取り立てて好きというわけではないのですが、特典映像が気になったので購入してみました。
全話ネコ娘が活躍する話ばかりですので、ネコ娘ファンにはたまらないでしょう。
ネコ娘の他のキャラクタのDVDも出ないものでしょうか?特にねずみ男かわうそ、夜道怪あたりが欲しいものです。


収録作品はテレビ放送のものですから、既にテレビシリーズのDVDを持っている人は無理して買うほどのことはないでしょう。
収録作品の全てが過去に感想と妖怪解説は書いてあるので、各話の詳細はいらないかと思っていましたが、以前の文章を読み返してみたところ、五期の最初の頃は妖怪解説やっていませんでした。
そんな訳で、妖怪解説をやっていない話はいい機会なのでやっておきたいと思います。
取りあえず、今日はDISC1に収録作品の妖怪解説です。

『ゲゲゲの鬼太郎』5−劇場版   

[rakuten:book:13151554:detail]
劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂』のDVDが出たので購入しました。
昨年十二月に公開された『鬼太郎』史上初の長編アニメですね。
当時、六エリア別のご当地バージョンが公開され、各地域毎違った映像が楽しめると大々的に宣伝がされていたのが記憶に残っています。
このDVD版においては、そのご当地別の六パターンすべてが収録されています。
地域限定発売などといったことはありませんので、全国を行脚して見るといった苦行はありませんのでご安心を。
もし六本出ていたら、すべて購入してえらい出費になっていたでしょうから、全パターン収録されていて一安心です。


さて、折角ですから、六エリア別公開のパートの部分の感想を書いていこうかと思います。
本編に感想は以前書いたので割愛します。本編の感想を読みたい人がもしいれば、2008年12月20日分を見てください。

北海道・東北エリア
伊達政宗の鎧兜を身に着けたねこ娘が印象的でした。
個人的には、秋田県なまはげが良い味を出していたと思います。
四十七士入りしたものの、テレビ版でも今回の劇場版でもほとんど見せ場の無いなまはげですから、こう少しでもスポットが当たるとほっとします。
福島県いわき市スパリゾートハワイアンズは、第三十五話「死神の極楽ツアー」を思い出してしまいました。もしかすると、あの話の舞台はここだったのでしょうか?
死神のマヒマヒを探したのですが、残念ながら出てきませんでした。きっと彼はハワイに帰ったのでしょう。


*関東・甲信越エリア
横浜市長の中田氏が登場するのがこのエリアでの一番の肝でしょう。
声も市長自らが当てているのは高評価ですね。
また、テレビ版の放送局、お台場フジテレビが観光名所ということもあって、フジテレビと局の看板番組「めざましテレビ」の司会者たちが登場しています。ねこ娘がただ通り過ぎるだけで、絡まなかったのは勿体無かったですね。
また、千葉の鴨川シーワルドで、ねこ娘が持っている千葉ウォーカーの作りこみが細かいところも素敵です。
あと印象に残っているのは、群馬県で達磨が沢山出てくるところですね。
第九十三話「おばけビルの妖怪紳士!」を思い出します。あの素敵な紳士は今どこにいるのでしょうか。


*中部・北陸エリア
ここはなんといってもドアラの存在感が一番印象に残っています。後ろで流れるBGMが「燃えよドラゴンズ」なのがまた良いですね。
映像特典で本物のドアラにインタビューしているところが収録されていますので併せて楽しむと良いでしょう。
個人的に気になったのは、石川県金沢市兼六園でおしろい婆が登場するところです。おしろい婆が登場すると、三期最高傑作のひとつ三期第百三話「純愛ヌリカベとおしろい娘」を思い出してしまいます。あの話はすごく好きだったので、是非とも五期のリメイクを見たかったのですが、残念ながら叶わぬ夢に終わりましたね。


*近畿エリア
忍者姿のねこ娘が登場します。近畿で忍者なら甲賀(滋賀県)かと思ったら、東映太秦(京都府)でした。
「くノ一おにゃん」というネーミングは、『水戸黄門』及びそのスピンオフ作品『かげろう忍法帖』に登場する由美かおる演じる「くノ一お銀」から来ているのでしょうね。
個人的に一番気になったのは、奈良公園にいたべとべとさんです。水木先生の素敵なデザインが光る妖怪として結構人気があるような気がしますが、映像作品では殆どお目にかかることは叶いません。
べとべとさんは実写映画(ウェンツ主演の一作目)には登場していましたが、アニメでは初登場になる筈です。べとべとさんの主演エピソードをいつか見てみたいものです。


*中国・四国エリア
広島県の代表がデオデオになってるのが非常に気になりました。いや、確かにデオデオは広島に本拠を構えていて、全国展開もしている家電店ですから広島代表の企業と考えるのは間違いは無いとは思います。でも広島県の代表にするのはどうかと思います。
他に紹介するところがあるでしょうに。例えば、安芸の宮島とか原爆ドームとか。広島県民はあの内容に納得するのかとても疑問です。
それとも個人的に、デオデオには非常に厭な思い出があるためそう思ってしまうだけでしょうか?
あと、水木ロードを疾走するねこ娘は必見です。原作の怖い顔をしたねこ娘のブロンズ像の横を、同じ表情をした五期のねこ娘が通り過ぎるのを見たときは、思わず笑ってしまいました。
他には、島根県のスポットがとても気になりました。「ねずみ男岩」「ぬりかべ岩」なんてものがあるとは全く知りませんでした。


*九州・沖縄エリア
なんといっても宮崎県知事の東国原が見所でしょう。個人的には、映画本編よりも特典映像の収録風景とインタビューの方が圧倒的に面白かったと感じましたが。
何しろ、今でも時の人として各メディアに引っ張りだこですからね。宮崎を代表する人としてなら知事をおいて他にはいませんからね。
福岡県の名産ふくやの明太子はおいしそうでした。各地域ともに名産品が出てきますが、一番食べたいと思ったのはこれですね。



六地域すべて見て一番気になったのは、各地域ともに、実在の名所だけでなく、実在の商品・企業・プロスポーツ団体が沢山登場していたことです。あれは、スポンサーなのでしょうか。本編では「マクドナルド」が登場していたのも気になるところです。マクドナルドは当時ハッピーセットで『鬼太郎』のグッズをおまけにつけていましたから、スポンサーとして出資していたと思います。とすると、ご当地に登場した面々もそうなのかな?

どの地域もそれぞれ特徴が出ていて面白いのですが、個人的には本編を再生するときは中国・四国エリアで見ることをお勧めします。『鬼太郎』色が一番強く出ているので、見ているとしっくり来ます。
また、水木先生の出身地の境港が登場するので、原作とアニメの違いが見比べられるのが面白いですね。


ご当地別だけではなく、映像特典として収録されている他の映像も楽しめました。
個人的にお勧めは、五大鬼太郎のインタビューと、アフレコ収録の風景でしょうか。
特に、アフレコ収録風景では、地獄の十三王のキャスティングが決まった場面に驚きました。オーディションとか、スタッフ会議によって決まったのではなく、その場のノリで決まったとは思いもしませんでした。


五期劇場版は「史上最大」のキャッチコピーに偽りの無い傑作ですから、まだ見ていない人は是非見ることをお勧めします。
勿論、既に劇場で見た方も楽しめると思います。



さて、最後に不満点をひとつ上げます。
この劇場版は本編は勿論、おまけについてきた「ゲゲゲまつりだ!!五大鬼太郎」もとてもすばらしい出来で、往年のファンとして納得のできるものになっています。
特に、本編の鬼太郎とねずみ男を主軸にしたストーリはこれぞ『鬼太郎』と言えるものに仕上がっていて大満足でした。
では、何が不満かといえば、とある妖怪のデザインがおかしかった点です。
その妖怪は誰かといえば、第九十九話「都会の天守閣!妖怪亀姫」で華々しくデビューして、とても雅な姿を披露してくれた猪苗代城の城主亀姫様です。
テレビ版での亀姫様はこちらです。

とても可憐なお姿に大勢の視聴者が虜になったことは記憶に新しいですね。
では、問題の劇場版亀姫様はというとこんな感じです。

劇場版を見ていない人で、テレビ版を見て今回初めて劇場版を見たら卒倒するんじゃないかと思えることになっています。
作中の時系列で言うと、劇場版はテレビの100話の後の話になります。黒鴉が群馬で父と対面している間に、整形に失敗してこんなんになってしまったのでしょう。
さよなら私の亀姫様。
この緑髪の亀姫はテレビ版登場前にデザインされたもので、劇場公開後では大幅な修正がありました。ところがDVDでは修正前のデザインでの登場になっています。DVD版では修正が入るものと信じて疑わなかったのですが、まさか直さずに収録とは思っても見ませんでした。
しかも、特典の妖怪図鑑でもこの姿がしっかりと載っています。
チョイ役で台詞も無く、ほんの数秒程度しか移らないのですが、それでもこれは無いだろうと思います。
亀姫修正版のDVDを出してくれないものでしょうか?また新しく買いなおしますから。本当に。

本日観た映画


妖怪の出てくる映画かと思ったので、『鴨川ホルモー』を観に行きました。
しかし、残念ながら私が考えてたような「妖怪」の登場はありませんでした。
ゲゲゲの鬼太郎』終了して、久し振りに妖怪解説ができるかと思っていたので、その点だけは残念でした。


妖怪こそ登場しないものの、作品自体はとても楽しめました。
本編は、恐らく安倍晴明の使役した式神の系譜と思われる鬼同士を戦わせる神事「ホルモー」に参加する京都の大学生たちの青春物語なのですが、個人的にはストーリよりも登場人物たちと、彼らの繰り広げる馬鹿馬鹿しい姿こそが見所だと思います。
特筆するべきところは、式神に対して命令するときに行う言葉とポーズでしょう。
これが、とにかく阿呆な格好なのですが、出演者はその阿呆な姿を真面目に取っているのがますます可笑しく見えてきます。
あの動作、何らかの法則性があると作中で言っていましたがとてもそうは思えません。誰かが思いつきで作ったとしか思えません。パパイア鈴木あたりが。
万が一法則性があるとしても、少なくとも既存の呪術とは全く異なる体系だと思います。


個人的に最大の見所は、京大青龍会のメンバーが全裸で踊るところでしょうか。
式神を使役する能力を得る儀式というのが、神前で全裸になってCMソングにあわせて踊るという、一見するととても阿呆なシーンです。神様を馬鹿にしているのかと言われそうな気もしますが、必ずしもそうでは無いと思います。
CMソングに合わせてという所さえ別にすれば、神前に全裸はそれほど珍い事ではないんですよ。全国各地に裸祭りといった名の付く全裸の神事が幾つもあり、その中には本当に一糸纏わぬ全裸になるものがあります。
それにほら、天照大神を天の岩戸からから出す時に天鈿女命が裸で踊ったという逸話もあります。もしかして、来歴を巡るととても由緒正しいものかもしれません。
それにしても、あれを観ていると観ているこっちもなんだかテンションがあがってきます。全世界で大人気のはっぱ隊に通じるものがあります。
これで、草薙剛が出ていたら、今年最高傑作だと謂われた事でしょう。まあ、本当に草薙剛が出演していたら公開中止でしょうが。


ところで、パパイヤ鈴木って京大卒業なんですか?

『ゲゲゲの鬼太郎』5−総括其乃参

テレビアニメ第五期『ゲゲゲの鬼太郎』が話をまったく纏めないまま終了しましたが、何故そうなったかが「オトナアニメ」という雑誌に書いてあるということなので、購入してみました。

オトナアニメ Vol.12 (洋泉社MOOK)

オトナアニメ Vol.12 (洋泉社MOOK)

シリーズ構成をしている三条陸インタビューがその該当箇所です。
ところで、この本三条さんのインタビュー以外に読みたい記事が一切載っていません。160ページ中4ページしか読むところがないとは、困ったものです。
もしかして私は、アニメ好きじゃないのかな?


さて、何故『ゲゲゲの鬼太郎』の最終回があんないかにも打ち切りを食らった話になってしまったかというと、大方の予想通り急に放送終了が決まったからのようです。
インタビュー内容を大まかに纏めてみます。
元々、昨年の五月頃に三年目があるという話があり、それなら劇場版の直前に四十七士を集めるのではなく、三年目も継続して観ていけるような話にして欲しいという依頼があったとのこと。
その依頼を受けて、昨年の11月頃に打ち切りになった百話までの構成が纏まったそうです。ところが、その頃に打ち切りかもしれないという話が出始めたそうです。
当然、視聴率も良かったので、『鬼太郎』を存続させたいと思っていたようで、いろいろと努力していたようですが、映画公開直前に百話まででの終了が決定してしまったようです。
本来あと一年続くはずだったものの、もしかしたらあと半年で打ち切りとなるかもしれないので、保険をかけて全126話の構成にしていたらしいのですが、その五期完結編とも言える残りの26話は、日の目を見ないままとなってしまいました。
本来なら、4月の番組なら前年の9月には決定していないとスケジュール的におかしいそうです。ところが、『鬼太郎』終了と、『DB』4月開始は去年の11月に決定だった模様で、ありえないほど急なスケジュールだったのでしょう。
終了が決定した時点で、すでに99話までの演出が決まっていたそうです。二十体程度しか四十七士が覚醒していないのですから、そこから纏め上げるのは不可能でしょう。最後の3話を使って最終回を仕立てるという案もあったようですが、それにしたってまともに終わらせるのは難しいでしょう。絶対に視聴者も製作者も納得のいかないものになったでしょう。
傷ついた作品を出すくらいなら、また見られるかもと夢を残して中断するほうがまだ傷が浅いだろうとの判断から、あの打ち切り最終回に決定したそうです。


アニメオフィシャルサイトもそうですが、製作サイドはまだ続編をあきらめていない模様です。
好きで見ていたファンの子も、続きが見たいと思っていることでしょう。
テレビスペシャルなどの道が残されているかも知れないとの事なので、何らかの形で完結編があること願っています。
ただし、私個人の意見としては、それはテレビ放送でなくてはならないと思っています。web上では、DVDでオリジナルアニメとして販売して欲しいといった意見も見かけました。もしそれが実現したならば、私は絶対に購入することでしょう。
しかし、それは収入のある大人だからこそできることであって、『鬼太郎』のメインターゲットである子供たちには難しい問題でしょう。1話30分のDVDが、3000円位だとして、普通の親なら買い与えないでしょう。小学生にとっては大金でしょうから、自分の小遣いで買うのも厳しいと思います。
これは、テレビ番組を楽しんでくれた子供たち、つまりは二年間『鬼太郎』を支えてくれた一番大事な存在をないがしろにしてしまうことではないかと思います。
そのためには、続編があるときはできれば残り二十六話を毎週放送、それが無理でもせめてテレビスペシャルでの放送が望ましいです。


製作者が諦めていないという事は、機会さえあれば続編はすぐにでも出来るという事でしょう。
機会を作るためにファンとして出来ることは、続編の要望を出すことと、関連商品を購入して売り上げに貢献することくらいでしょうか?
取り敢えず、劇場版のDVDとブルーレイは両方買います。ブルーレイプレイヤーを持っていないけど買います。
『鬼太郎』の早期再開があることを願って。