『ゲゲゲの女房』1−1,2    

NHK朝の連続テレビ小説史上、最低の視聴率ではじまった『ゲゲゲの女房』の感想です。
この作品は、もしも面白かったら、毎週土曜か日曜に一週間分纏めて感想を書こうと思っていたのですが、低視聴率とは裏腹に、あまりの面白さに一週間待てず、二日目にして観想を書くことにしました。
漫画やエッセイなどで水木先生ご本人の生い立ちは幾度と無く見てきましたが、そのパートナーである水木婦人のキャラクタは、そこではあまりかかれていませんでした。また、水木先生本人の視点でかかれていますから、ご本人を客観的に見た描写もありません。
この作品では、そのあたりが見ることが出来るのを期待してます。


さて、今日は第1週「ふるさとは安来」(第1、2回)の感想です。
まず、オープニングの映像が素晴らしかったのに驚きました。
まさかNHKの朝ドラのオープニングに鬼太郎たち水木作品のキャラクタ達が出てくるとは思いませんでした。
それもテレビアニメ版の『墓場鬼太郎』を髣髴させる美しいビジュアルでオープニングを飾っているのは感動ものです。

第1回

水木婦人の半生を、幼少期より時系列順に追っていくようで、我等が水木しげるは第1回の頭にほんの少し顔見世していましたが、暫くは出番が無い模様です。
この水木しげるを演じる向井理は、一寸格好良過ぎではないかと思います。もう一寸抜けた表情や仕草をしたほうが水木らしいと思うのですが、その辺りはドラマと言う事で、見栄えのある形にしているのでしょうね。

第2回

水木先生の出番は無いだろうと思っていましたが、第二回目もそれらしき人が出ていました。
べとべとさんやヒダル神の回避方法を教えてくれたり、小豆はかりのイラストを書いていましたね。

また、夜に祖母が話している蛇婿入りもなかなかいい味が出ていました。全国各地に伝わる異類婚姻譚の典型例の一つで、かなり有名な話ですね。
水木先生登場(結婚)前には、あまり妖怪の話題は出ないかと思っていたのですが、意外と妖怪指数が高くて面白かったです。
この作品を見るであろう視聴者は、恐らく水木ファンだからといった配慮からくる視聴者サービスなのでしょうか?つまり、私のための作品であると。


さて、ここからが私の本当に書きたいことです。
そう、半年振りの妖怪解説です。
今回解説する妖怪は「べとべとさん」です。
奈良県宇陀郡や静岡県に伝承のある妖怪です。
夜道を歩いていると、後ろから誰かがつけてくるような音が聞こえることがあり、その現象を起しているのがべとべとさんだといいます。
奈良県では「べとべとさん先へ起し」、静岡県では「お先にどうぞ」と唱えると怪異が離れていくといいます。
同類の妖怪として、福井県坂井郡に、冬の霙の夜道に現れるビシャガツクという妖怪もいます。
この妖怪は、音声のみの怪異で、姿形が目撃される類のものではありません。作中で姿が見えるたものは、水木先生のオリジナルデザインです。
少なくとも、現在水木しげる登場以前のべとべとさんの絵画や立体物は発見されていません。


野暮を承知で一言付け加えると、本作中では、日中に登場している上、土地も島根なので、今ほど妖怪の情報が多く流通していない当時に布美枝がべとべとさんに遭遇したのはかなり疑問に感じます。
なんか、あとから付け足したエピソードに感じる点もありましたが、雰囲気はそれっぽかったから、まあ良しとします。


ヒダル神との解説は以前『ゲゲゲの鬼太郎』の解説でやっていますので、気になる方はそちらを見てください。
ヒダル神
http://d.hatena.ne.jp/dodomeki/20081012
小豆はかり
http://d.hatena.ne.jp/dodomeki/20081116


妖怪解説がしたくなったら、毎日でも更新しますが、あまり目ぼしい妖怪ネタが無ければ、週一回程度の更新をしていこうかと思っています。