今日見た映画〜e^iπ+1=0〜
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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『博士の愛した数式』というタイトルからして、最も美しいとされるオイラーの公式の事かなと思ったら、矢張り最後「e^iπ+1=0」で締まっていました。
本編のストーリーは、邦画としては平均的な出来だと思います。
しかし、博士のレクチャーする数学の部分はなかなか興味深く、とても良かったです。
但し、映画なので問題を計算しながら観ていると、私が答えを求める前に劇中で正解が出てしまうので、日頃暗算に慣れ親しんでいる人でないと作中の問題を解答するのは難しいでしょう。
この辺り、小説なら自分のペースで進められるので、回を解いてから話の続きを楽しむことが子出来ますが、映像化作品ではそう行かないのがネックですね。
博士のキャラクタもなかなか良かったと思います。
私の抱いている(誤解や偏見かもしれませんが)数学者のイメージ通りの人でした。
数学を愛し、愛しているからこそ数学の楽しさを周りに広めようとしている人物。
きっと原作者の方も、数字が好きなのでしょう。数字が好きだからこそ描くことの出来るキャラクタであり、作品であったと思います。
このキャラクタなら、人間ドラマなど全く挿入せず、数学を延々と語るだけの作品にしても充分に楽しめると思います。いや、むしろストーリーなど排除し、博士のキャラクタと数学の魅力だけの方が面白いかもしれません。
続編で「ケーニヒスベルクの橋の問題」編を創ってもらったら、観てもいいかもしれません。