本日購入の書籍

妖怪談義 (講談社学術文庫)

妖怪談義 (講談社学術文庫)

行きつけの書店で、講談社学術文庫のフェアをやっていたので、試しに購入してみました。
柳田國男の書籍は初めて購入しましたが、なかなか興味深い内容です。
愚僧は「妖怪名彙」が一番楽しめました。あまり一般に知られていないマイナな伝承の妖怪ばかりが載っていました。尤も、一部の妖怪に関しては、水木しげるが『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめとする各作品で取り上げているので、メジャーになっていますが。
「妖怪名彙」を楽しめるのは、こういった図鑑的な、モノを集めて並べる事が好きだからでしょうか?これは矢張り、愚僧は根が蒐集家だからなのでしょう。


さて、「妖怪名彙」ですが、面白い記述がありましたので、抜粋してみます。

オクリイヌ  又送狼ともいうも同じである。これに関する話は全国に充ち、その種類が三つ四つを出でない。狼に二種あって、旅犬は群れをなして恐ろしく、送犬はそれを防衛してくれるというように説くものと、転べば食おうと思って跟いて来るというのとの中間に、幸いに転ばずに家まで帰り着くと、送って貰ったお礼に草鞋片足と握飯一つを投げて与えると、飯を喰い草鞋を口にくわえて還って行ったなどという話もある(播磨加東)。転んでも「先ず一服」と休むような掛声をすればそれでも食おうとしない。つまり害意よりも好意のほうが、まだ若干は多いように想像せられているのである。

よく「送り狼」と言う言葉を耳にします。若い女性に親切そうに家まで送るとみせかけて、隙があれば乱暴しようと企む男性の事を指しますが、これはどうも妖怪の名前が語源のようです。確証は有りませんが。
日頃使う言葉の中には、妖怪に関する言葉が意外と多いのですが、「送り狼」は語源はおろか、そんな妖怪が居る事も知りませんでした。
日本語って、何気ない言葉一つとってもとても奥が深いのですね。


アコギなのかリッパなのか

アコギなのかリッパなのか

畠中恵の描く政治家の裏側が舞台のフィクション。テレビドラマにでもなりそうなお話です。
主人公が政治家の事務所の事務員ですので、日頃想像もしない世界を垣間見ることが出来ます。
政界に限らずどの業界もそうなのでしょうが、成功するためには非常に大変な努力をしなければならないようです。