書痴の書架より

暁斎妖怪百景

暁斎妖怪百景

幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎の妖怪画集。
鳥山石燕や竹原春泉のものとは違い、解説文の類は一切入っていません。
恐らく、子供向けに書かれている様ですので、識字能力の無い子供に楽しんでもらうための配慮なのでしょう。
実際に、収録作品の幾つかは、妖怪を取り上げているにも関わらず、非常にコミカルで親しみの持てるものになっています。


かと思うと、一方では非常にリアルな筆で書かれた幽霊や鬼の絵が収録されています。
コミカルなものからリアリティーのあるおどろおどろしいものまで、作風の幅が非常に広い人だったようです。
書籍の帯には、「幕末明治の天才絵師」と書かれていますが、内容を見てみると成る程なとうなずけます。