雑記

今日、電車内でスポーツ紙を読んでいる人が居たのですが、その一面の見出しに気になる記事がありました。どうやら24時間テレビにおいて不祥事があったとの事。そこで、ネットで検索してみたところ、かなり大きな騒動になっていました。


日本テレビ系で放送された「24時間テレビ」の100キロマラソンにおいて、走行中のお笑いタレントアンガールズに、一人の老婆が近づいて、激励の言葉を掛けて体に触れたところ、伴走していたスタッフが「さわんないでっ!!」と怒鳴り散らしたとか。


確かに、テレビ局のスタッフに問題があることは間違いがないことだと思います。
老婆が走行中にタレントに触れることも、当然悪いことではありますが、それを差し引いたとしても、テレビに映っている場面でそのような態度を表してはならないと思います。
今回非難されている内容のひとつに、チャリティーを主題に挙げた番組であるにも拘らず、社会的弱者である老人に対して、そのような暴力的な言動を行うことは、番組の趣旨から外れた行為であり、番組そのものを台無しにする事になってしまうという意見がありました。


私が思うに、製作の主要な人物は兎も角、末端のスタッフは番組の本質を理解していなかったのではないかと思います。
私はまったっく見ていないので(と言う以前に、そんな番組を放映していること自体知らなかったので)詳細は分かりませんが、『24時間テレビ』ともなると、出演者、裏方合わせて相当数のスタッフで製作されていると思います。
組織の規模が大きければ大きいほど、末端に上層部の意思が伝達されにくくなっていくものです。
その為、今回の「恫喝」をしたスタッフは、番組の趣旨を理解せず、現場の事象を観ただけで「タレントを守らなければならない」と判断し、その番組制作の真意にまで留意せず、女性に対して「注意」を促したのでしょう。
勿論、番組制作のスタッフは、出演者の安全を確保し、番組進行をスムーズに行うため、部外者の観客をタレントに近づけないようにしなければなりません。しかし、そこで取った処置が適切では、特に番組の趣旨から外れてしまっているので、非難されてしまうのは仕方のないことだと思います。


もしそうだとするならば、この「恫喝」を行ったスタッフに問題があるのも事実ですが、そのスタッフを伴走に採用した上司にも問題があります。
伴走するスタッフに対して、伴走するときに、出演者の走路を確保する目的が何であるのかとともに、製作している番組の趣旨を説明していなかったのではないかと思います。
組織として、部下に対して監督する義務を怠っていたと思われても仕方がないでしょう。


とまあ、ざっと観ただけではありますが、テレビ局サイドに落ち度があったことは否めません。
チャリティーをメインテーマにした番組で、老人を脅す様に見える言動があっては、視聴者が気分が悪くなるのも無理のない話です。

しかし、それ以上にマジョリティーがミスを犯すと、鬼の首を取ったかのように騒ぎ立てる、実体の無い「一般市民」の方が見ていて気分が悪くなります。
確かに、間違いがあったならば、それを糾弾することは必要ですが、匿名で相手の見えない安全なところから騒ぎ立てて、正義の御旗を振っているような人の方が、悪質だと思います。


言論の自由という言葉が有ります。確かにどんな発言を行おうとも、それは発言者の自由ではありますが、その自由に対しては、放った発言に発信者の責任がついてきます。
己の発言に対して、責任が取れないようでは、発言をする資格はありません。
ネット上での書き込みや、テレビ局に対する抗議の発言は、自分が責任を負わない対岸から、「一般市民」という得たいの知れないヴェールで身を包んで行っているのが殆どの様に見受けます。


そんなことでは、いくら正論を放ったとしても、意味が無い様に思います。


ニュースサイト
http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_08/g2006082915.html