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墓場鬼太郎 (3) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-9))

墓場鬼太郎 (3) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-9))

学校も試験も何にも無い、とても羨ましい生活を送っている『ゲゲゲの鬼太郎』の前作『墓場鬼太郎』の三巻を購入しました。
此方の『墓場鬼太郎』では、主人公達は『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌の様に、楽しい生活を送ってはいませんでした。
作中の妖怪達は、皆生活費に困窮しており、人間に借金をしたり、食費が無くコッペパンだけで飢えを凌いでいたりと、現代日本人以上に生活感溢れる存在に描かれています。


我等が鬼太郎も、生活費を得るために就職をし、糊口を凌ごうとしています。しかも、選んだ職業が借金の取立てで、歩合制の賃金に魅かれて職を決める辺り、アニメで無償で妖怪退治をしていたヒーローとはとても思えない有様です。
何かねずみ男が二人いるような話立てになっています。


作品発表の年代が、日本の庶民が皆貧困に苦しんでいた時代なので、人も妖怪も神様も皆非常に貧しいです。
高度成長期やバブル時代に描かれた鬼太郎は、無辜の民に味方する正義のヒーロでしたが、今作ではそうではありません。
文学や音楽と同じく、漫画も世相に反映される文化であることが、この作品を読むと良く分かります。


水木しげる先生も、昔は苦労していたのが絵から伝わってきました。