本日購入の書籍

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)

作品そのものではなく、作者の行く末が非常に気になる『鏡家サーガ』シリーズ初の文庫本です。
書店であとがきを見たところ、「最初で最後の『あとがき』」とあったので、迷う事無く即入しました。

この佐藤友哉は不人気な作家で、講談社ノベルスではシリーズ途中で干されています。
その上、講談社ノベルスで最後に刊行された『クリスマステロル』において、己の力量が足りなかった為に打ち切られた事を自嘲するあとがきを書いて、只でさえ痛々しい存在なのに、墓穴の底で更に穴を掘るような真似までしてしまっています。そんなユヤタンが、あまりにも可哀想なので、新刊を見るとついつい買ってしまいます。大して好きでもない作品であるにも関わらず。

さて、今回の文庫版『フリッカー式』でも、思わずめを背けてしまうような痛いあとがきがあることを期待したのですが、残念ながら私の希望は叶いませんでした。
「最初で最後」としていたのは、今後の展望が無いからではなく、作者としての決意表明みたいなものでした。
てっきり、作家業を続けられなくなって泣き言でも言うのかと思っていただけに、期待を裏切られて残念でした。

閑話休題、発売予告されている『灰色のダイエットコーラ』は何時発売になるのでしょうか？
そして、それ以上に『人生・相談』が書籍化されることを熱望します。あの相談コーナー*1は、ユヤタンのあらゆる著書の中で一番面白いと思いますからね。

*1:読者が作家に人生相談をする雑誌にありがちなコーナーなどではなく、"作家"が"読者"に対して相談を持ちかける前代未聞の珍コーナー。