『ゲゲゲの鬼太郎』5−4  

アニメ第五期『ゲゲゲの鬼太郎』第四話「男!一反もめん」を見ました。


今回は、妖怪「海座頭」及び「船幽霊」の扱いには一寸納得の行かないものがありました。
一反もめんの漢ぶりを大きくクローズアップしてしまったためか、海座頭が悪さをする背景が殆ど無いに等しく、どうも消化不良の様な気がします。
そして、船幽霊の扱いは海座頭に輪をかけて酷いものでした。原作では脅かされて仕方なく海座頭の手下になっていた船幽霊ですが、この話においては、その辺りの説明が一切なされていないどころか、まともに紹介すらされていない有様です。
何をどうやって間違えると船幽霊をあのような扱いになるのか教えてもらいたいものです。何しろ、柄杓で船を沈めるシーンが無く、尚且つ地上を練り歩かれては、船幽霊の特性が全て無くなってしまいます。
柄杓を持っていたので辛うじて船幽霊だと分かりましたが、もし持っていなかったら、「船幽霊」なのか「七人みさき」なのか区別が付きません。
伝承のある妖怪なのですから、伝承に見合った活躍をして貰いたいものです。


そして不満点はもう一つ、次回予告の進行をウエンツ瑛二が行った点です。
来週には劇場版の公開がありますので、宣伝もかねてウエンツをゲスト声優に使うのは分かるんですけれども、もう少し忍んでもらいたいものです。
本編の脇役くらいなら良いのですけれども、予告を乗っ取るともなると一寸目立ち過ぎで、作品の余韻が台無しです。
次週の本編でも、雰囲気を壊すような活躍をしないか今から不安になってしまいます。



不満ばかりを書き連ねてしまいましたが、今回は良かった点もありました。
妖怪の扱いはよろしくありませんでしたが、ストーリーに関しては充分楽しめる内容です。
いつもは乗り物程度の扱いしかされていない一反木もめんをメインにした辺りは非常に嬉しいものです。
今回の一反もめんの漢ぶりに、私の中の一反もめん株は急上昇です。


そして、第三期からの好敵手「ぬらりひょん」が早くも登場しました。第四話にして、役者が揃ったというところでしょうか。
それにしても、今回のぬらりひょんは以前と比べ物にならないほどの極悪振りです。
初登場にして、「不味い酒を出した」と言うだけで料亭を爆破していました。これは不味い店の代金を踏み倒す海原雄山ですら裸足で逃げ出すほどの暴挙です。

石臼を回して過去に流された、原作版ぬらりひょんの持っている愛嬌は微塵も感じられません。
今までのぬらりひょんを敵役だとすると、今作のぬらりひょんは紛れも無く悪役です。
今回のぬらりひょんは顔見せ程度でしたので、鬼太郎と直接対峙はしませんでしたが、今後の活躍が楽しみです。