『ゲゲゲの鬼太郎』5−20   

ゲゲゲの鬼太郎』の第5期、第20話の「闇からの声!幽霊スポット」の感想です。


実際に幽霊が出るスポットを紹介したとして大ヒットした本を見て、怖いもの見たさに幽霊スポットを訪れた人達が何者かに襲われるお話です。
最初「うわん」という声がすることから、妖怪うわんの仕業だとして何時もの様に無償で調査に臨む我等が鬼太郎です。
興味本位で危険な場所に近寄る人を減らす為、本を執筆したライターに警鐘を鳴らすと共に、悪事を働くうわんを退治しようと、本に載っているスポットを巡る鬼太郎。
遂にうわんと遭遇する鬼太郎でしたが、実はうわんは人間に悪さをしていたのではなく、人を襲う妖怪「黒坊主」から人間を逃がす為に、幽霊スポットに人が近づかないように人々を脅かし遠ざけようとしているのでした。
そして、心優しい妖怪うわんが人を襲う黒坊主と一戦を交えたその結果は如何に。


さて、そこで今回の敵役となった黒坊主がどういった存在なのかまるで説明が無かったのが最大の問題でしょう。
作中の描写で物理攻撃が効かない所を見ると、実体の無い妖怪であることと、人間の生気を吸う特性を持っているのは分かりますが、それ以外は一切不明でした。
何を目的として人間の生気を吸っているのかも語られていません。幽霊スポットの本との関連性も説明されていませんので、住処を荒らされて怒ったのか、純粋に食料を求めての行動だったかもはっきりしませんので、果たしてこの黒坊主を退治する必要があったのかどうか疑問が残ったままです。
また、妖怪の性質も語られておらず、物理攻撃が効かなく、電撃なら効果があるのかも謎のままに終わってしまいました。因みに、原作の『新編ゲゲゲの鬼太郎』においては、黒坊主は人間の生気を吸って生活する妖怪で、水に弱いとされています。


ミスリーディングを誘う、登場する妖怪が二段構えの構成や、ストーリーの大まかな骨格は決して悪くは無いと思うので、それだけに後半の展開の唐突さが残念でした。