『ゲゲゲの鬼太郎』5−21   

ゲゲゲの鬼太郎』の第5期、第21話の「首ったけ?妖怪恋物語」の感想です。


今回登場の妖怪は「おどろおどろ」でしたが、前回の黒坊主以上に活躍の場が無い敵でした。
原作や過去のアニメにおいては、科学者が実験の果てに変化した妖怪で、子供達を攫うという悪行を働き、能力も中々に高く、シナリオ・バトル共に大健闘をしていました。
ところが、今回のおどろおどろは、人間の生き血を啜るという悪行を働くという悪役らしい役目を振られている他は、特に目だった特長も活躍もありませんでした。
完全に今回のメインを張ったろくろ首に喰われてしまっていました。
五期のおどろおどろの扱いを見ると、原作や一期のおどろおどろの活躍を知る身としては残念でなりません。


一方、今回の主演となったろくろ首姐さんは中々の好演でした。
五期になって初めて準レギュラーに参入した彼女ですが、四期以前からちょくちょく出演していた準レギュラーの呼子かわうそよりも目だっているように感じます。もしかすると、子泣き爺よりかストーリーに貢献しているかもしれません。
四期では主要メンバーの中で女性キャラは猫むすめしかいなかった(砂かけ婆は女性としてカウントはしません)ので、少し華が足りない様に感じたのでしょう。(三期では夢子ちゃんがいたので、その反動で四期が寂しく見えるのかもしれません。)
そこで、今期からはテコ入れの為に脇役に女性を加えたのかもしれませんね。


エピソードとしては、それ程珍しくも無い人間と妖怪との異種族間の恋愛をテーマにしており、「愛があればどんな障害も乗り越えられる」的なノリで、割とありきたりな展開と言えるでしょう。
ここで一番重要なのは、脇役のろくろ首をメインに据えている事でしょう。
これまで、一反もめんやぬりかべといったメインキャラを掘り下げるエピソードが有りましたが、まさか脇役であるろくろ首のエピソードをやるとは思ってもいませんでした。
五期は全体的に見て、世界観や登場人物たちの設定を緻密に行っており、作品世界をスタッフが非常に大事にしているように思えます。(それ故に、五期オリジナルの要素が多々入り、原作や過去作のファンの反感も買っているようですが)


この後、呼子かわうそ、お歯黒べったりの話もやって欲しいものです。
但し、子泣き爺のエピソードは要りません。今期の爺はバトルでの活躍が今ひとつな上に、家賃を滞納したり、駄々っ子の如く我儘し放題だったりと、今までの子泣き爺の名誉を悉く返上するかの様な駄目っぷりですから、あんな爺の話など興味はありません。
ベトナム戦争で米軍の原子力潜水艦を沈めた時の様な、八面六臂の大活躍をした爺は果たしで何処へ行ってしまったのでしょうか?