『ゲゲゲの鬼太郎』5−32   

ゲゲゲの鬼太郎』第32話「上陸!脅威の西洋妖怪」の感想です。
今回と次回の二回に亘って、宿敵の西洋妖怪軍団の登場となる模様です。
しかし、今期の西洋妖怪は、四期までと違い、殆どの西洋妖怪が世代交代をしていました。流石に'60年代のデザインでは古臭く感じるからなのでしょう。
時代にあわせてデザイン変更をするのは大いに結構なのですが、全体的にセンスが悪いのはどうにかしてほしいです。特にミイラ男。両肩に乗ったアヌビスらしいあれ一体何なのでしょうか?

導入部で魔女は前線を退き、その座を孫に譲っていました。古強者の魔女が出てきたときは嬉しく思ったのですが、孫に取って代わられてしまったのは少々残念です。原作登場時より40年以上経っていますのでそろそろ息切れしてもおかしくないと思いますので、婆の引退も仕方ないのでしょう。

ドラキュラも三世となっているので、矢張り孫なのでしょう。この三世、ナルシストでヘタレで、堪え性が無いなさけないキャラクタになっています。リーダ役もミイラに奪われていますし、爺さまが祖国で「駄目な孫だ」と嘆いているのが目に浮かびます。もう一寸祖父を見習って、貫禄をつけて欲しいところです。
狼男は、ワイルドという名前のオカマが狼男一族のホープらしき者が登場しています。それにしても、何故オカマになっているのでしょうか?

ミイラ男は、ドラキュラの言によるとゲストの様に紹介されていましたから、新キャラの枠扱いでしょうか?一見すると『るろうに剣心』の志々雄真実です。まあ、包帯を全身に巻いている以上、ある程度似通ったデザインなのは仕方が無いだろうと思っていたのですが、それは戦闘場面を見るまでの事でした。この新ミイラが鬼太郎と戦う時に必殺技らしきものを放つのですが、それが相手の体に包帯を突き刺して、怨念のようなもので着火・爆発させていました。どう見ても志々雄の「紅蓮腕」そのものです。キャラクターデザインが似るのはまだしも、技まで似せるのは流石に不味いのではないかと思います。

現役で頑張っているのはフランケンのみ。作中でドラキュラが明言していました。ただ、以前とデザインが少し違うように見えますが、強化改造をしたからだと勝手に思い込む事にしました。


シナリオ面は個人的にはかなり良かったと思います。
強敵の登場・対決は、何しろ燃えますからね。
ただ、西洋妖怪たちがある程度周期的に日本、それも鬼界ヶ島にやって来ると分かっていたのに、何故か島には駐屯部隊も、早期警戒システムも設置していないのに疑問を感じました。日本妖怪が個人的に対策をしているだけならまだ納得できるのですが、閻魔大王との協力体制を取れるのにこの体たらく。早く何とかしないと。
本当に予告も無く、突然の襲撃を受けて島を占拠されるのは分かるのですが、過去何度も激戦を繰り返し、また来るであろう事を予想していたにも拘らず、島を占拠されてから戦闘準備をするのは如何なものかと。西洋妖怪が上陸する前に、水際で叩いた方がずっと楽な筈です。
ボス妖怪がゲリラのように襲撃してきたのなら兎も角、敵の数が数千もいますから、気が付かないなんて事はないと思います。


後編では、前編では活躍の場が殆ど無かった五官王の働きに期待します。腹に何か抱えている御仁ですので、きっと予想も付かない問題行為を起こしてくれることでしょう。