墓場鬼太郎2   

墓場鬼太郎』の第二話「夜叉対ドラキュラ四世」を漸く見ました。
出来ることなら、テレビ放送を見たいのですが、深夜番組となると翌日のスケジュールを考えると見る事が出来ません。仕方なく今回もHDDに録画しての視聴となってしまいました。


第二回もヒーローの鬼太郎が好きなちびっ子には間違っても見せてはいけない内容になっていました。
何しろ登場人物の全員、鬼太郎と目玉の親父も含めて悪人といってもよいキャラクター設定になっていましたから。

人間の生き血を食料とする夜叉とドラキュラ四世は生態上、人間の目線から見ると悪役となるのは仕方の無いことかもしれませんが、それ以外の登場人物(モブ同様の脇役に至るまで)が全て人間の醜さをこれでもかと発揮していました。
自社の経営を立て直す為、無実の鬼太郎(実際は無実どころか、真犯人の息子ですから会社を傾けた関係者)を人身御供として警察に売り渡そうとする社長。
他シリーズ同様、他人を騙してその上前を掠め取ろうと企み、夜叉とドラキュラを傍観する蝙蝠のねずみ男
そして、人様から受けた恩をあだで返す鬼太郎親子。今回、社長を自動車事故に合わせた挙句、現場から金を持ち去ろうとしていますが、これは立派な強盗殺人罪でしょう。
人間の悪い部分を煮しめて抽出したかのように、人の汚い部分を本当に魅力的に演出しています。
話の頭から最後まで、この魅力的なキャラクタが二つ、三つの巴戦を繰り広げて、浅ましい活躍を見せてくれる様は圧巻の一言です。
その最低な人たちが、水木しげるのタッチを完全に再現した絵と、きれいに動くキャラクタと相まって非常にクオリティーの高い出来になっていました。
ゲゲゲの鬼太郎』も好きですが、話の面白さだけで語るならば、この『墓場鬼太郎』こそが水木しげる原作アニメ最高傑作でしょう。


本当におどろおどろしく、最高に面白かったのですが、ねずみ男の出身大学が怪奇大学からおばけ大学に変更になっていた点と、学者が捜し求めていた妖怪が牛鬼でなかった事が残念でした。