『ゲゲゲの鬼太郎』5−41   

ゲゲゲの鬼太郎』第四十一話「オベベ沼の妖怪かわうそ!」の感想です。

今回は鬼太郎とねずみ男が自動車で旅をしているところから話が始まります。
この後も、ほぼ二人だけで話が進み、いつも活躍している横丁の面々は殆ど出番がありません。
今期の鬼太郎は、ねずみ男の出番が大幅に減り、その分横丁の仲間達が活躍している為、今までの鬼太郎のアニメとは大きくイメージが違いました。きっと、子供達に人気が出るように、分かりやすい話、受け入れやすいキャラクター設定にしたからでしょう。
その為、あるときは味方、またあるときは敵として、立ち居地が常に変動する、その性格を掴み難いねずみ男が必然的に出番が減ってしまったのでしょう。
ねずみ男は良く言うと人間味に溢れたキャラクターですが、換言するととてもいやらしいキャラクターだとも言えます。ねずみ男は素晴らしいキャラクターではあると思うのですが、子どもに派理解し難い魅力を持っているキャラクターでしょう。あのキャラクタは、歳を長ずるに従って、世の中のことを色々と知るにつれて、段々と良さが分かるのではないかと思います。

そんな訳で、5期に入ってからめっきり出番が少なくなったねずみ男ですが、一〜四期と同じポジションで活躍した前回と今回は非常に楽しめました。
前回は敵に回りながらも劣勢になるや裏切る蝙蝠の役柄で、今回は終始味方の役柄でしたね。
横丁の面子も好きですが、矢張り『ゲゲゲの鬼太郎』は鬼太郎・ねずみ男目玉親父(残念ながら目玉親父は今回は本筋に絡みませんでしたが)が中心で話を回す方がしっくり来ます。


さて、今回はオベベ沼で悪さをする妖怪を退治に鬼太郎が立つ話です。
五期のアニメは、原作とも過去のアニメ作品からも独立したオリジナルのいわばパラレルワールドのお話になっていますが、結構過去の作品ともリンクしています。
今回のお話は原作、アニメ一、三、四期の「オベベ沼」の続編的な位置づけになります。この話をより深く楽しみたい人は、原作か過去のアニメ作品を観ると良いでしょう。因みに、アニメ作品では一期は四十話、三期は三十一話、四期は七十一話が該当します。

この過去の罪業を悔いるかわうそが結構格好良い役回りで素敵でした。
しかし、敵を倒す最後の決め技が、ただのパンチだったのは、一寸迫力に欠けていて残念でした。
いつもお気楽なかわうそですが、意外な一面が見れて楽しかったです。