『ゲゲゲの鬼太郎』5−60   

ゲゲゲの鬼太郎』第六十話「働け!!妖怪バリバリ」の感想です。
今回は、非常に珍しい事に、第二期の『鬼太郎』以外の作品を原作とした話のリメイクとなっています。二期での放送が1972年2月24日ですから、実に36年振りのエピソードとなります。
原作は水木しげるの『心配屋』です。水木先生お得意の働く事が本当に幸福なのかをシニカルに描いた社会風刺漫画の名作です。
第二期は、原作のストックが足りなくなったからか、『鬼太郎』以外の水木作品を題材に取った話が多々あります。
その内容については賛否両論で、水木作品の魅力が最大に引き出されるという声もあれば、鬼太郎が話に絡まず傍観者となってしまうため『鬼太郎』としての面白さが無いといった意見もあります。
後者の意見が多かったためか、三・四期においては『鬼太郎』以外の水木作品を原作に取った話は30年の長きにわたりありませんでした。
個人的には、二期はとても面白い話だとは思いますが、『鬼太郎』である必要が無い話が多すぎだと感じます。二期では特に、「地相眼」「霊形手術」が好きなのですが、双方とも鬼太郎が一切出てこなくても話が成立してしまう構造になっています。そこから考えると、鬼太郎というヒーローを前面に押して活躍させた三・四期において二期のリメイクのエピソードをやらなかったのは正しい判断だと思えてきます。
もし二期のエピソードをリメイクするなら、『ゲゲゲの鬼太郎』と銘打っての放送ではなく、『水木しげる劇場』とか別タイトルでやった方が良いと思っていました。


しかし、今回の放送の「働け!!妖怪バリバリ」は鬼太郎ではなく目玉親父がメインになってはいたものの、思っていたより『鬼太郎』色が濃くて安心しました。
その分、二期に比べると原作『心配屋』の魅力が減ったきらいもありますが、『ゲゲゲの鬼太郎』なのでそこは良しとしましょう。


私的に一番良かったのは、ねずみ男の名刺の役職です。代表尻捲役などと書かれていたのがとても水木作品らしいですね。今期はこの手の小ネタが秀逸です。
それにしても、尻捲役って一体なんでしょうか?危なくなったら即逃げ出すという意思表示とか?
いかにもねずみ男に似合う胡散臭い肩書きですね。


さて、次回は一期から何度もリメイクされている「妖怪城」です。原作や過去のアニメにおいては、たんたん坊、二口女、かまいたちが鬼太郎と対峙しました。
予告を見るとたんたん坊と二口女が出てくるのは確認できますが、かまいたちの姿は見えませんでした。今期のかまいたちぬらりひょんの陣営に加わっていますから、若しかしたら出演しないのでしょうか?
或いは、「妖怪城」にぬらりひょんが関わってくるとか?
いずれにしても、次週が楽しみです。