『ゲゲゲの鬼太郎』5−63   

ゲゲゲの鬼太郎』第六十三話「もうりょうの夜」の感想です。
今回は凄く面白かったです。全編を通してホラーな雰囲気が出ていて、背筋がゾクゾクしてきました。
ストーリが良く練ってあって、作品に引き込まれるようにして見てしまいました。
映像も『墓場鬼太郎』に近いものになっていて、ストーリに似合っていてとても素晴らしかったです。良い意味で暗く、気持ち悪いものになっていました。特に、魍魎たちの屍骸がグロテスクながら美しかったです。
ただ、ラストがとても急展開で、あっという間に事件が収束してしまったしまった点だけが残念でした。放送時間の都合で仕方なくなのでしょうが、もう一寸鬼太郎が魍魎対策を建てる伏線を途中で入れるなどした方が良かったと思いました。


ゲストキャラクタの若先生泰造も結構良いキャラクタだと思います。ステレオタイプな怪奇反対派を上手く演じていました。
一見すると、自分の栄達の為だけに動いているように見えます。しかし、自身の栄達を得る事も考えているのでしょうが、その根底には故郷の寒村を発展させるという郷土愛が有るのが台詞の端から見て取れます。鬼太郎が言っているように悪い人間ではありません。
自分の狭い常識に捕われて、知っている常識の範疇外の事を素直に受け入れないのは与えられた役割上、仕方の無いキャラクタ設定だったのでしょう。このストーリをやるならば、真っ向から超常現象を否定する役所がいなければ成立しませんからね。
個人的には、携帯電話みたいな自作の医療器や、三つあるディスプレイが気になりました。特に三面スクリーンは、帰郷して全く日がたっていないのに、設置して運用しているのに驚きました。あれは、自分で設置・設定したのでしょうか?


さて、今回は「バリバリ」同様に二期のリメイクになっています。原作は『鬼太郎』外の作品『死人つき』『異形の者』です。てっきり「もうりょう」のリメイクで、邪魅の姿をした魍魎が出てくるものとばかり思っていて、二期リメイクをまたやるとは思っていませんでした。三・四期では二期リメイクはありませんでしたが、今後の五期は二期のリメイクが増えるのでしょうか?
普段は比較の為にリメイク前の作品を見ることをしたりはしないのですが、今回は二期の「死人つき」を見返してしまいました。
二期の方も改めて見ると面白かったです。此方はも魍魎の存在を否定するのが医師ではなく僧侶となっています。妖怪などいないという和尚というのも珍しいですね。きっと、この和尚の弟子が今回登場した住職なのでしょう。
個人的に一番気になったのは、土精の目の数が違うところです。二期では単眼なのですが、五期では目が二つになっていました。私は単眼の方がより化け物らしくて良いと思うのですが、何故変えてしまったのでしょうか?


リメイクは今ひとつの結果になる事が多い五期ですが、今回は非常に満足が良く出来でした。