『ゲゲゲの鬼太郎』5−67   

ゲゲゲの鬼太郎』第六十七話「歩く吸血樹!樹木子」の感想です。
今回登場の妖怪は「樹木子」。伝承には無い水木先生の創作妖怪だとされています。
古戦場の怨念から発生した古木の妖怪と、いかにも伝承にありそうな感じがしますので、実際に居るのかと錯覚してしまいます。
墓場鬼太郎』やのびあがりの回に登場する吸血木に似ていますが、意志を持っている上に、自走する所が大きな相違点ですね。意志を持った樹木の妖怪という括りだと、吸血木より古椿や逆柱に近い性質なのかも知れません。


ストーリは五期お得意のホラーテイストに溢れた内容に終始するかと思いきや、熱い戦闘あり、次回に繋がる伏線ありと、色々な要素が詰まった濃いものになっていました。特に、終盤の地獄での陰謀の様子は、次回が非常に気になる上手い引き方だと思います。
それでいて、メインの樹木子が蔑ろにされた感じがしなかったのは良かったです。
シリーズ全体を通してのストーリを盛り上げつつ、一話完結の話の面白さも損なわない話を作るのは難しい事だと思うのですが、それを見事に成し遂げたように感じます。


今回一番光っていたのはなんと言っても青坊主の兄さんでしょう。
鬼太郎が兄貴分として慕っているだけに、この人は毎回格好良い役回りを演じてくれます。
個人的には、夜道怪と僧形の妖怪同士の対決をして貰いたいです。双方肉弾戦のエキスパートですから、六角棒と錫杖での殺陣はきっと迫力のある一戦になると思います。
次回は西洋妖怪との総力戦のようなので、引き続き青兄さんの活躍が見られるのではないかと期待しています。