『ゲゲゲの鬼太郎』5−69   

ゲゲゲの鬼太郎』第六十九話「鬼太郎大異変!穴ぐら入道」の感想です。
穴ぐら入道は原作と、過去三回アニメのエピソードで登場した古参の妖怪ですが、私にとってはあまり印象に残らないキャラクタです。周りに翻弄されるものの、自らは特に動かないキャラクタだから、あまり記憶に残らないのかもしれませんね。
今期の穴ぐら入道も殆ど動きません。基本的に穴倉の中で座っているだけで、ねずみ男やテレビ製作会社の面々が周りで騒ぐことによってはじめて話が動く形でした。
穴ぐら入道の話は毎回、妖怪の話ではなく、人間のエゴをどうやって表現できるかが肝になってきています。
そういった視線で見ると、今回の人間は確かに身勝手ではあるものの、過去のシリーズの極道たちに比べて突き抜けた悪い存在には感じませんでした。
もう一寸阿漕な感じを出した方が良かったように思います。


妖怪の出自に関しては分かりませんでした。水木先生の創作妖怪なのかもしれません。
水木先生は、伝承にある妖怪と自ら創作した妖怪の混ぜ方が非常に上手く、どれが創作妖怪なのか知識に乏しい人間には判断がつきません。
オリジナルの妖怪であっても、あたかも「昔から伝わっていますよ」という顔して伝承がある妖怪にさり気なく混ざっているんですよね。
今期の穴ぐら入道は、デザインに特徴に大きな変更は無かったものの、一見鼻毛や頭髪に見えるものが、虫(?)が寄生してそう見えているものになっていました。
これははじめ驚きました。誰が考えたのか分かりませんが、非常に面白いアイディアだと思います。
話の内容は過去作品に比べて今ひとつでしたが、この毛が実は虫という点だけは過去三期に勝っている演出だと思います。