『ゲゲゲの鬼太郎』5−80   

ゲゲゲの鬼太郎』第八十話「美女と寝太り!連続妖怪事件」の感想です。
今回登場の妖怪は「寝太り」です。竹原春泉の『桃山人夜話 絵本百物語』に収録されている妖怪「寝肥」のことです。妖怪関係の作品は結構な数を見ていますが、この寝肥が登場する作品はこれがはじめてです。勿論、『鬼太郎』史上においても、原作や過去のアニメにも登場していません。
この寝肥は、出典の『絵本百物語』にも書かれている通り、奥州に伝わる病気「寝惚堕」を妖怪として書いたもので、寝っぱなし食べっぱなしでみるみる肥っていく自堕落な婦人を揶揄する意味をも持たせています。
肥るだけで特に何らかの行為をする妖怪ではありませんので、まさか『鬼太郎』に登場するとは思いもしませんでした。先週次回予告を見た時、何でこんな妖怪を選んだのか不思議でなりませんでした。
ただ肥るという特徴しか持っていないのに、作中で人間社会に及ぼした影響は五期最大のものになったのではないでしょうか?
飲食店三件を破壊した後、クライマックスのシーンでは高層マンション一棟とその周辺の家屋を破壊していました。普通に考えるならば、死傷者が百人以上は出ていると思います。
たいした力もない妖怪なのに、ここまで大規模な事件にしてしまうとは、製作スタッフのセンスに改めて感心してしまいます。
矢張り、五期は色々な意味で目が放せないシリーズです。


さて、今週からエンディング曲中に劇場版の予告が入るようになりました。
とりあえず「鏡爺」が出てくるのが見えました。ロリコンとして定評のあるあの爺さんですので、また女の子を攫うのでしょう。
今回の劇場版では、妖怪を超えた敵が登場するとのことですが、それはヒ一族のことではないかと思っています。
ドラゴンボールみたいな戦闘シーンが公開されていますが、あの場面を見ると『鬼太郎』らしさが損なわれていないか心配になってしまいます。