『ゲゲゲの鬼太郎』5〜妖怪四十七士〜

妖怪四十七士全てが出揃ったので、私が以前予想したものと答えあわせをしてみました。
結果は正解が岩手、埼玉、新潟、長野、三重、兵庫、和歌山、鳥取、愛媛、長崎、熊本、沖縄の十二県でした。
妖怪があっていたものの、出身県が合わなかったのは雪女、一つ目小僧の二体。
併せて四十一分の十三ですので、あまり正解率は良くなかったですね。
四十七士の答えあわせと、それに対する私の簡単な感想を書いてみました。感想の部分に関しては、もしかすると本編のネタばれになりそうなものが含まれているかもしれません。


・北海道 ミンツチ ×
アイヌに伝わる河童。疱瘡神と闘い戦死した人形チシナプカムイが妖怪化したものです。
北海道各地に伝わっていて、姿形や特徴は土地によってまちまちです。
原作、アニメにも登場していない新顔ですので、一体どういった活躍をするのか楽しみです。
私の予想はコロポックルでした。


青森県 赤舌
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に登場する妖怪で、『鬼太郎』シリーズにも過去幾度と無く登場している古参の妖怪です。
妖怪ラリーのエピソードにおいては、競技の審判長を務めていました。そこでは、あのバックベアードを一喝するだけで退けるという活躍をしていますので、もしかすると四十七士最強かもしれません。
この赤舌は東北出身の妖怪とされていますが、その根拠は全く無いそうです。水に関わる妖怪であると思われるものの、正体不明の存在だったりします。
私の予想では、ここが雪女の出身でした。


岩手県 座敷童子
予想的中でした。五期では既に少女の座敷童子が登場していますが、公式サイトのイラストを見ると男の童子もいます。
どちらも水木先生のデザインとは離れた、もうオリジナルの妖怪になっていますね。
もうすぐ冬になりますので、恐らく笠地蔵の五期でもエピソードがあり、そこで四十七士入りすると見ました。


宮城県 タンコロリン ×
仙台出身の妖怪で、柿の実をいつまでも放っておくと出てくる大入道だとされています。
意外な事に原作、アニメ共に未だに登場していない妖怪です。
私は、ここは否哉が来るものかと思っていました。


秋田県 なまはげ ×
男鹿半島小正月に行われる伝統行事として、今でも語り伝えられています。
知名度だけで言えば、秋田でもっとも有名な妖怪でしょう。
「悪い子はいねえが」「泣く子はいねえが」の台詞はあまりにも有名ですね。
残念なことに吹消婆はきませんでした。


山形県 雪女
雪女は東北のどこかに登場すると思っていました。ニアピン賞といったところでしょうか?
影女を予想したのですが、当たりませんでした。


福島県 亀姫 ×
猪苗代城の真の主で、姫路城の長壁姫とは姉妹の間柄です。兵庫で長壁が四十七士入りしていますので、恐らく姉妹揃っての登場になるのでしょう。
泉鏡花の『天守物語』は、この亀姫の話を元にしているそうです。
私のイメージでは、妖しい美女だったのですが、公式サイトのイラストは美女とはいえないものになっています。
私が予想したのは朱の盤でしたが、流石にぬらりひょん一派の朱の盤はありませんでした。


茨城県 わいら ×
これはもっとも物言いを付けたい人選です。
茨城県の野田元斉という医者がモグラを食べるわいらを見たという紹介がありますが、それは山田野理夫が子供向けの本に適当に書いたもので、実際にはそういった伝承はありません。
同じ出身地不明の妖怪である青森の赤舌は、五回に渡るアニメ化において全て登場していただけ、まだ我慢できます。しかし、アニメは勿論のこと、原作にエピソードの無いわいらは本当に納得行きません。
何で五期アニメ本編に登場した祢々子河童を持ってこなかったのでしょうか?


・栃木県 雷獣 ×
これは一番意外な選出でした。五期では第十話で鬼太郎と戦い、圧倒的な戦闘力を見せた強敵です。
あの話を見た限りでは、とても鬼太郎の仲間になる要素がありませんでしたから、まさか四十七士入りするとは思いませんでした。
今後、雷獣が再登場して鬼太郎の仲間になるエピソードがあるのでしょうが、それが今からとても楽しみで仕方ありません。
まあ、私の選んだ枕返しが来たとしてもありえない選出と言ったでしょう。


群馬県 烏天狗(黒烏) ×
準レギュラーとして鬼太郎を支える天狗ポリスの黒烏が群馬代表です。
天狗は全国各地に伝承があり、群馬もその例に漏れないので、烏天狗が群馬代表なのはまあいいでしょう。作中の活躍ぶりを考えると、彼の四十七士入りは納得できます。
しかし、黒烏は飛騨の出身ではなかったのですか?あれだけ飛騨のポリスであることをアピールしておきながら、実は群馬出身とは騙された気分です。
私の予想は文福茶釜でしたが外れました。


・埼玉県 夜道怪
五期において一、二位を争うお気に入り妖怪の夜道怪が埼玉代表です。
個人的な贔屓から埼玉代表を予想しましたが、予想的中でした。
五期本編を見れば、これは誰も文句は言わないでしょう。


・千葉県 かぶきり小僧 ×
原作にもアニメにも登場しない妖怪が千葉代表です。
寂しい山道や夜道に現れて「水飲め、茶飲め」と言ってくる妖怪で、その正体は狢だとされています。
それにしても、なんとまたマイナーな妖怪を選んだのでしょうか。この小僧、一体どういう風に鬼太郎に絡むか予想も付きません。
二口女は五期ではとことん蔑ろにされるようで、四十七士入りはなりませんでした。まあ、分かってはいましたが。


・東京都 一つ目小僧
モブの中にまぎれているのは見かけますが、原作でもアニメでも個別のキャラクタとしてかかれたことの無い妖怪です。
この一つ目小僧は旧暦の事八日、二月八日と十二月八日にやって来る妖怪です。
基本的にはその名の通り独眼の小僧の形で現れるのですが、身の丈三メートルを超える大入道であるものも多くいます。
一つ目小僧は神奈川代表かと思っていましたので、私は置いてけ堀を予想していました。


・神奈川県 みかり婆
原作・アニメ共に未だ登場の無い妖怪です。
一つ目小僧と共に事八日に訪問する妖怪です。五期においても一つ目小僧とセットで出てくるような気がします。
私はここは一つ目小僧を予想していたので、ある意味正解ですかね。


新潟県 団三郎ムジナ
過去、原作・アニメ共において八百八狸の一員として登場しています。その時の名前は団三郎狸でした。一反もめんを褌にした狸として印象強いです。
『鬼太郎』においては愛媛の刑部狸野手下となってしまっていますが、本来は佐渡の狢の総大将です。現在は下戸村に二つ岩大明神として祀られているそうです。
ここは見事正解しました。


富山県 猫又 ×
年老いた猫は妖力を得て、尻尾が二股の妖怪猫又になると言います。『鬼太郎』においては、力を更に得た猫又は猫しょうという妖怪に進化します。
富山県魚津市黒部市の間にある山岳郡の毛勝三山には猫又山という名前の山があります。これは、どうやら猫又伝説の舞台がそのまま地名になったらしいです。
富山では、地名になるほど猫又が有名なようです。
地名として定着する猫又には、ふらり火程度では太刀打ちできなかったようです。


・石川県 かわうそ
妖怪四十七士の発表と同時に四十七士入りしたかわうそ
私が五期において一番好きなマスコット的妖怪です。


福井県 若狭の人魚
若狭といえば、不老長寿の妙薬となる人魚の肉が有名です。
『鬼太郎』においても「鬼道集」のエピソードに反映されています。但し、『鬼太郎』に登場した人魚は、公式サイトの魚の様なお化けではなく、アンデルセン童話に出るような美女でしたが。
この四十七士入りした人魚は、良く人魚のミイラとして見世物になっていた、魚と猿を縫合した偽人魚タイプのデザインですね。
五期においても矢張り、人魚は不老不死の妙薬として人間に狙われるのでしょうか?
因みに、人魚が不老不死の薬となるとされているのは日本だけで、他の国ではそういった伝承は無いそうです。


山梨県 小豆洗い ×
次回の小豆連合軍で四十七士入りするであろう小豆荒いが山梨代表です。原作でも独立したエピソードを持ち、アニメにおいては一期から五期に至るまで全て登場する皆勤賞妖怪の一人ですから、妖怪四十七士入りは妥当なところでしょう。
『鬼太郎』に登場する小豆洗いは、竹原春泉が『桃山人夜話』に描いたデザインになります。
中部の山中に出る妖怪といった印象が強い気がしますが、この小豆洗いは、名称が多少変わるものの、全国各地に分布する妖怪です。
有名な「小豆磨ごうか、人とって食おか、しょおきしょき」という歌は長野県佐久郡、新潟県三条市あたりの小豆洗い、小豆磨ぎが歌うとされています。
五期でも大活躍した、白蔵主もとい白山坊がここに来るかと思っていましたがはずれでした。


・長野県 ヤカンヅル
原作とアニメ二、三、四期において対悪魔ブエル戦に登場した妖怪です。
『鬼太郎』においては、強力な掃除機よろしく悪魔軍を飲み込む猛者となっていますが、本来は木の上から降りてくる薬缶でしかありません。
水木先生の手によって、えらく出世したものです。
ここは見事に正解しました。


岐阜県 岩魚坊主 ×
アニメの三期、四期で活躍した岩魚坊主が岐阜代表です。
妖怪でありながら、徳の高い坊主のようで、特に四期では活躍していたように感じました。
伝承にある岩魚坊主は、殺生を戒めるように漁師に忠告する妖怪とされています。
ここは覚ではありませんでした。


静岡県 波小僧 ×
原作、アニメ共々未登場の妖怪です。本当に、何でこの妖怪が選ばれたのか良く分かりません。
静岡県浜松市に伝わる妖怪で、困っている波小僧を助けたところ、村が旱魃になったときに恩を返してくれるという話があります。
埋もれていた妖怪のひとつで、比較的近年になって世に知られることとなりました。
私の予想は狒々でしたが、外れてしまいました。


・愛知県 松の精霊 ×
アニメ・原作共に未登場なだけでなく、大元の出典までもが本気で分からなかった妖怪。
妖鬼化にあるイラストは、『国盗物語』のガジュマルの精霊に瓜二つです。
手持ちの書籍には一切記載が無く、Webで調べたところ、怪異・妖怪伝承データベースに「松,童子」と言う名称で、それらしい記事があったので転載します。

老木などには精が宿って時々怪異があるという。参州長興寺の二龍の松という松は、童子に化けたという。

恐らく、伝承はあるものの、固有の固体名称が無い妖怪なのでしょう。「松の精霊」という名前も、水木先生が便宜上つけた名前のかと思われます。
詳細が分かりませんので、五期において、どんな役回りをするか全く想像ができません。
ここは山姥ではありませんでした。


三重県 一目連
デザインがバックベアードにしか見えない妖怪一目連。結構有名だとは思いますが、『鬼太郎』においては原作・アニメを通じて初出場です。
暴風の神として知られています。多度神社の摂社として祀られて、そこでは別宮に一目連神社というものもあります。観光名所ですので、行った事がある人もいるのではないかと思います。
妖怪というよりも、神様の部類に入るのかもしれません。


滋賀県 鉄鼠 ×
滋賀県代表は、三井寺の頼豪阿闍梨の成れの果て鉄鼠です。原作・三期アニメにおいて、五徳猫と共に登場しています。
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』では、経典を食い荒らす化け鼠として描かれています。
既出のどのエピソードでも悪役で、伝承も考慮すると、どう考えても鬼太郎の仲間になるとは思えませんが、何故か四十七士入りです。
死後数百年を経ようとも、改心するとは思えない坊主なのですが、鬼太郎の情に絆されるのでしょうか?
この鉄鼠は、京極夏彦の『鉄鼠の檻』発表以降、様々な漫画で見かけるようになったきがします。
大百足は死んだから、もう出番がないのでしょう。


京都府 輪入道 ×
実写のほうの劇場版『ゲゲゲの鬼太郎』で西田敏行が演じていたのがとても印象に残る妖怪、輪入道が京都代表です。
原作やアニメの一、三、四期ではダイヤモンド妖怪として登場したの他、妖怪自動車のタイヤになったりと、出番はかなり多い妖怪です。四十七士入りは納得できるキャラクタと言えるでしょう。
京都といえば、私はアニメの五期で大物の存在感を見せてくれた鵺が来ると思っていましたが、あの妖怪の出番はもう無いのでしょうか?


大阪府 白坊主 ×
大阪代表の妖怪は白坊主となりました。一応、アニメの三期の本編と劇場版には出ていますので、初出演ではありません。まあ、そのときはモブキャラでしたが。
キャラクタとしてかかれるのは、原作・アニメ通じて初のことでしょう。
ここは、茨木童子を予想してましたが、当たるとは思っていませんでした。


兵庫県 長壁
姫路城の天守閣にいるとされている妖怪で、長壁姫刑部姫、小刑部姫とも言われています。
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にも描かれているので、有名な妖怪だと思います。
『鬼太郎』シリーズに出演するのは初めてのはずです。


奈良県 砂かけ婆
妖怪四十七士の最初に決まったうちのひとり。


和歌山県 一本ダタラ
以外にも正解してしまった一本ダタラ。
独眼独脚で、鍛治と関わりがある妖怪として有名です。
アニメの三・四期において活躍している一本ダタラですが、意外な事に原作での登場はありません。
五期で登場した「雪入道」とは、色が違うだけでデザインが同じでしたので、その辺りの関連性が気になるところです。


鳥取県 呼子
原作・アニメ共々かなり初期から登場している呼子鳥取代表でした。
五期で呼子が四十七士に覚醒するときに、臆病なキャラクタとして描かれていましたが、原作や過去のアニメを見ていると必ずしもそうではないように思えてきます。
呼子は、原作などで強敵が登場して、日本妖怪が集結するとき、まず真っ先に鬼太郎の下に来て、先陣を切って戦うキャラクタとして描かれています。
まあ、そのたびに負傷するシーンが登場していますので、力が低いというのは本当なのでしょうが、少なくとも勇気は他の誰にも負けないように感じました。
また最近改めて原作を読み直して気が付いたのですが、呼子は五期において直接的な戦闘手段を持たないと嘆いていますが、原作では敵を攻撃する手段を持っていました。
それはなんと、懐に飼っている蝮を敵に投げつけるというものです。蛇を操るとは、伝承にある呼子とは、どうやっても結びつかないような隠された能力です。
呼子といえば、山に響く声真似ですから、音波や衝撃波といった能力を使う様に思うのですが、何故か蝮。水木先生の発想力は凡人ではかないません。
でも、四十七士の呼子は蝮を投げないのでしょうね。


島根県 火車 ×
原作やアニメの「逆モチ殺し」で古くから活躍している妖怪です。これは、過去の作品を見ていると、とても仲間になりそうに思えません。五期では大幅に設定変更になるということなのでしょう。
伝承においては、墓場から死体を暴く妖怪とされていますが、『鬼太郎』では寧ろ餅好きの妖怪になってしまった感があります。
個人的には、今期においても目玉親父の逆モチ殺しにやられてしまって欲しいと思うのですが、そうすると四十七士入りできませんね。
四期で大活躍だった化鯨はきませんでした。


岡山県 すねこすり ×
個人的にはとても好きな妖怪ですので、岡山代表に選ばれて嬉しく思っています。
足元にまとわり着くといった特徴しかない妖怪ですが、どうやって鬼太郎の手助けをするのでしょうか?
アニメ五期では、チーに反物にされただけで特に見せ場は無いキャラクタでした。今後の活躍に期待ですね。
過去作品においては、アニメ二期の「怪自動車」や映画『妖怪大戦争』あたりに出ています。『妖怪大戦争』の方は、デザインが異なりますが。
釜鳴は退治されたからもう出ないようです。


広島県 おさん狐 ×
美女に化けて男を誑かす狐が四十七士入りです。
この狐も、原作・アニメ共に出場経験がありません。
伝承を読んで見ると、変化の他に狐火を操る能力も持っているようですので、鬼太郎の力になりそうな感じはします。
ただ、人を騙す執念深い妖狐ですので、一体どういった経緯で仲間になるのか気になるところです。
私の予想では山ン本五郎左衛門でしたが、流石に魔王様のご出馬とはいかなかったようです。


山口県 次第高 ×
『鬼太郎』シリーズは登場となる筈です。
この次第高は、見上げると徐々に大きくなる妖怪の一種で、『鬼太郎』において過去に登場している見上げ入道、見越し入道、伸び上がりとった妖怪と同じ現象を起こします。
同じような妖怪を既に登場させていますから、シナリオを上手く捌かないと面白みがありません。この妖怪のエピソードは、五期のスタッフの腕の見せ場になるのではないでしょうか。
三期劇場版で高圧電線にやられたあやかしの再登場はなさそうです。


徳島県 子啼爺
『鬼太郎』において、徳島で子啼爺以外の人選はありえませんからね。


香川県 手洗い鬼 ×
水木先生が巨大妖怪ベストテンに良く上げる手洗い鬼が四十七士入りになりました。
竹原春泉の『桃山人夜話』に登場しており、そこでは二つの山に脚をかけて、逆さになりながら手を洗う男の姿が描かれています。
多分、ダイダラボッチやガシャドクロと同じくらいの巨躯なのでしょう。こんなでかいの仲間になって、他の連中の見せ場を奪わないのかと心配になって今います。特に、波小僧や松の精霊辺りの。
規制が掛かっているため、足まがり先生の登場は無いようです。


愛媛県 隠神刑部狸
原作、アニメの一・三・四期において鬼太郎を苦しめた強敵です。各回共に、八百八狸の頂点に立ち、巨大鯰と妖怪獣蛟竜を従えて登場していました。
日本征服を企み、常に後一歩のところまで行く程の実力者です。
どう考えても、鬼太郎と友好的になるとは思えないのですが、何故か四十七士入りしています。
一体どのような心変わりがあったのでしょうか?


高知県 山爺 ×
過去作品においては、四期の最終回のひとつ手前の話「鬼太郎対三匹の刺客!」に登場しています。そのときは、ただボーとしているだけで、何もしない妖怪でした。
四十七士に選ばれたからには、何らかのアクションを起こしてくれると信じています。
矢張り、七人ミサキはありませんでした。


・福岡県 塗壁
漫画でアニメでお馴染みの塗壁。普通の方は、壁に手足が生えた、いわば付喪神の様な塗壁を連想するでしょう。
これは、塗壁のオリジナルのイラストが存在しなかったため、水木先生が『鬼太郎』に登場させたものが定着したとは間違いの無いでしょう。
ところが、去年になって、ぬりかべのオリジナルと思われるイラストがアメリカのブリガムヤング大学から発見されました。

これの何処が塗壁?と思ってしまうのは、私たちがあまりにも水木先生の塗壁に慣れ親しんだからでしょう。


佐賀県 ひょうすべ ×
原作・アニメ共に結構な回数登場している妖怪です。話の中心にはならないものの、何故か妙に存在感を放っています。五期でも妖怪運動会の時に登場していました。
デザインは鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にあるものを採用しています。この、とぼけた表情と仕草がなんとも言えない味を放っていますね。
佐賀といえば、日本三大怪猫伝説の筆頭鍋島があるので、ここは化け猫かと思っていましたが外れました。


長崎県 磯女
今年五月に鬼太郎と対峙した妖怪磯女が長崎代表でした。
女と赤ん坊の両方の登場になるのでしょうが、これはどちらが四十七士なのでしょうか?それとも、二人一組で四十七士となるのでしょうか?


熊本県 アマビエ
五期のアニメを見ていると、順当に決まったなといった感じがします。
個人的な思い入れでは、ここは油すましになって欲しいところですが、五期の活躍ぶりを考えるとアマビエの方になるのは仕方が無いでしょう。
今後も、かわうそとコンビを組んで、楽しい掛け合いを見せて欲しいです。


大分県 セコ ×
原作・アニメ共に登場した形跡を見つける事ができなかった妖怪です。
河童が山に入ったものだとされる妖怪で、セココ、セコドン、セコンボ、カリコボ、ガワタロ、ガッコ、ヤマンタロウ、ヤマワロ等とも呼ばれています。
九州の河童は、夏は水辺に住み、冬になると山に入り山童になるという伝承があります。セコはこの話のバリエーションのひとつになるのでしょう。
私の予想の件は外れました。私には、件の様な予知の力はなかったようです。


・宮崎県 やんぼし ×
何でこいつがシリーズのトリを勤める妖怪は、宮崎県のやんぼしです。
宮城県では、夜の山道を歩いていると、ボーとした大きな人影が見える事があり、それをやんぼしというそうです。
このやんぼしは、人を攫う事があると伝えられるところもあります。また、地域によってはヤンブシとも呼び、山伏が妖怪化したものだといった説もあります。夜道怪に近い特徴があるのかも知れません。
話は変わりますが、宮崎といえば、そのまんま東こと東国原英夫知事が連想されます。この東国原知事、劇場版『鬼太郎』の作中に登場するみたいですね。但し、九州限定の登場の様なので、九州地区以外では見る事ができないのがなんとも残念です。
六エリア全て回って見たくもあるのですが、流石にそれは時間的、金銭的に難しいものがありますから、中々できることではありません。
私はヒョウズンボを予想しましたが外れました。しかし、佐賀でひょうすべが入っているので、微妙に当たったような気がしないでもありません。


・鹿児島県 一反木綿
五期では時々メインエピソードを貰っている一旦木綿ですね。
ただの乗り物以上の扱いになっているように感じます。


沖縄県 アカマタ
沖縄のイケメン妖怪アカマタが想像通りの四十七士入りです。
五期のアカマタは、男気があって本当に好きです。
ところで、他の南方妖怪はどうなったのでしょうか?



さて、駆け足気味に四十七士の答えあわせと、軽い一言を書いてきました。
そこで思ったことは、何でこいつがと感じる人選が多いことです。
その土地を代表するような妖怪ならまだいいのですが、さして有名でもなく、その上原作に登場せず、アニメでも未だ登場しないキャラクタが何故選ばれるのか不思議でなりません。
かと思えば、鬼太郎で活躍したレギュラーキャラがこぼれていたりします。
五期での活躍を考えると、青坊主、轆轤首、傘化け辺りが外れるのはおかしいのではないかと感じます。これらのキャラクタは、出身地不明らしいので除外されたと考えられますが、それならば出身地不明のわいらをはずして彼らの誰かを入れても良かったと思います。
黒烏が何故か群馬代表になっているくらいですから、それくらい許されていい筈です。

もともとが各県ごとに選ぶなんて無理があるのですから、一寸位強引な選出になっても良いと思います。


色々と不満点がありましたが、企画そのものは面白いものだと感じました。
四十七士の伝承を調べるのもとても楽しかったです。あまりのボリュームに二週間も掛かってしまいましたが。
若干ネタばれ気味で、今後の展開が分かってしまう点も多々ありますが、今後ますます盛り上がっていくであろう五期の『鬼太郎』に期待して、次回以降の放送を楽しみにして待つことにします。