書痴の書架より〜其ノ弐〜

どすこい(仮)

どすこい(仮)

どすこい(安)

どすこい(安)

どすこい。 (集英社文庫)

どすこい。 (集英社文庫)

屍鬼』を取り上げたので、『脂鬼』も紹介します。
京極夏彦のギャグ小説集。
馬鹿小説が好きなら、是非御一読を。


目録(括弧内は元ネタ(?)とその著者名)

四十七人の力士(四十七人の刺客池宮彰一郎)
パラサイト・デブ(パラサイト・イヴ瀬名秀明)
すべてがデブになる(すべてがFになる:森博嗣)
土俵(リング)・でぶせん(リング/らせん:鈴木光司)
脂鬼(屍鬼小野不由美)
理油(意味不明)(理由:宮部みゆき)
ウロボロス基礎代謝(ウロボロスの基礎論:竹本健治)


ベストセラーのパロディタイトルばかりですが、内容がパロディになっているのは『四十七人の力士』位です。
『理油(意味不明)』辺りになりますと、タイトル以外『理由』と関係が有る部分は全くありません。何故『理由』のパロディタイトルになっているのかさっぱり分かりません。
只、設定やキャラクタなど殆ど関係がない為、元ネタを知らなくても楽しめますが、知っていたほうが楽しめると思います。(知っていると、逆に楽しめないこともあるかもしれませんが。)


『パラサイト・デブ』以降の各タイトルは、阿呆な作家と、その担当編集者のドツキ漫才ではないかと思わせる内容です。赤城毅の後書きに通じるものがありますので、赤城毅の本当の後書きが好きな人は楽しめると思います。(赤城毅の後書きを知らない人は、本官のブログの二月十二日を参照下さい。面白そうだなと思ったら、この『どすこい』も楽しめるかもしれません。)


上でレビュー(と言うほど大それたものでもありませんが)している『屍鬼』のパロディ(なのか?)も収録されています。
されていますが、『屍鬼』に感動した人は、ギャグであることを肝に銘じて読んでください。または読まないで下さい。
特に、オリジナルがギャグで冒涜されると感じる人は読んではいけません。


さて、ハードカバー、ノベルス、文庫と有りますが、読むなら全て読むことをお勧めします。
ハードカバー、ノベルス、文庫と落ちていくに従って、加筆修正されていますが、その修正もギャグになっています。そのため、文庫版だけを読むと、今ひとつ理解できないギャグが有ったりします。
「それに、親本じゃ、SPEEDだっただろうが!」とか、『エヴァンゲリオン』のネタに『鋼の錬金術師』のネタが追加されている辺り、行き成り文庫を読むと混乱するかもしれません。