本日購入の書籍

グミ・チョコレート・パイン パイン編 (角川文庫)

グミ・チョコレート・パイン パイン編 (角川文庫)

大槻ケンヂの青春小説『グミ・チョコレート・パイン』の完結編である「パイン編」です。
解説に滝本竜彦が起用されているのが非常に嵌っています。
悶々とした少年達の物語に、悶々とした生活を送っている作家こそ最も解説役に相応しいと言えるでしょう。


この『グミ・チョコ・パイン』は、ミュージシャンが書いた小説とは思えないほど面白いシリーズ、否本業の小説家が書いたもの以上に面白いものでしたので、完結は少々残念ですが、大槻ケンヂはまた違った主人公の下、違うストーリで面白いものを書いてくれるでしょう。
次作も期待しています。


ところで、私は大槻ケンヂの文庫本を全て持っていますが、彼の曲のCDを一枚も買ったことはおろか、歌そのものを聴いたことがありません。
『リンウッド・テラスの心霊フィルム』まで持っていて、「筋肉少女帯」のCDも「特撮」のCDも持っていないのは私くらいのものでしょう。
どうも、私の中においては、大槻ケンヂは作家という事になっている様です。


茅田砂胡の『クラッシュ・ブレイズ』シリーズ最新作、『ソフィアの正餐会』です。
表紙だけ見ると、まるでどこぞの恋愛小説かの様に見えますが、きっと中身は恋愛とは程遠いバイオレンスになっているのでしょう。
スカーレット・ウィザード』に続く、「ハーレークイーンバイオレンス」になっていると予想します。


麿の酩酊事件簿〈月に酔〉 (講談社文庫)

麿の酩酊事件簿〈月に酔〉 (講談社文庫)

高田崇史の『磨の酩酊事件簿』第二弾、『月に酔』です。
イラストが少女漫画なので、講談社文庫で出ていると違和感を感じてしまいます。
講談社文庫で出すならイラスト無しにした方がしっくりきます。
イラストを付けて出したいのなら、講談社ホワイトハート文庫辺りで出したほうが良いと思います。
そうすれば表紙に少女漫画風のイラストを載せられますし。
どうも中途半端でちぐはぐな印象を受けます。


墓場鬼太郎 (4) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-10))

墓場鬼太郎 (4) (角川文庫―貸本まんが復刻版 (み18-10))

貸本まんが復刻版の『墓場鬼太郎』第四巻。
ゲゲゲの鬼太郎』の様な可愛さなど無い、厭らしさとおどろおどろしさ満載のダーティな鬼太郎が、子供達のヒーローである「ゲゲゲの鬼太郎」とは又別の魅力を出しています。
『鬼太郎』というと、正義の味方の「鬼太郎」と、欲望の塊の「ねずみ男」の対比が有名で、実際にそこが作品を面白くしている最大のポイントであると思います。
しかし、この『墓場鬼太郎』においては、「鬼太郎」までも欲望に駆られる人間的なキャラクタとして書かれているため、まるで「ねずみ男」が二人もいるかのような錯覚を受けてしまいます。
それはそれで面白いのですが、同じ系統のキャラクタばかりだと、作品のメリハリが付きずらいのが難点ですね。
この後、水木しげるが鬼太郎の性格を無私のヒーローに変えたのは、エンタテイメント作品として世間一般に分かりやすい形にする必要があったからでしょう。