本日観た映画

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

乙一原作小説の映画『暗いところで待ち合わせ』を観ました。
以前小説を読んではいたのですが、随分前の事なので、設定やストーリをすっかり忘れていました。
部分部分を断片的にしか思い出せないお陰で、知らない作品を観る様な新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。
鶏並みの記憶力も、たまには役に立つ(?)ものですね。
どうしても思い出せないのですが、主人公の大石アキヒロって原作でも中国人のハーフでしたっけ?


ジャンルは一応ミステリでいいのかな?
殺人事件も起きていますし、クライマックスシーンで犯人当てもやっていますから。

尤も、この作品を見て犯人が判らない人など一人も居ないでしょうけれど。
何しろ、主要登場人物が非常に少ないので(主要人物は六人しかいなく、うち二人は死んでしまいます)、犯人が推理するまでも無く分かってしまいます。


この作品において、一番面白いところは、何と言っても盲目の少女の家に殺人事件の容疑者が無断で住み込むという設定でしょう。
この辺り、江戸川乱歩作品に通じるものがあります。
奇抜な設定という点では、『屋根裏の散歩者』や『人間椅子』を思い出してしまいます。


乙一の作品は、他にも殺人事件の起こるものが幾つか有りますが、大抵他には無い独創的な設定があります。有る意味においては、江戸川乱歩の後継者と言っても良いのかもしれません。


個人的には、田中麗奈全盲の演技が非常に良く、本当に盲人の様に見えるところが良かったと思います。
その他の場面については特筆するようなことは無いかもしれません。
(今ひとつ思い出せないので断言は出来ませんが、多分)良くも悪くも原作をそのまま映像化した作品に仕上がっていました。
乙一ファンならとりあえず見ておいても損はないでしょう。