『ゲゲゲの鬼太郎』5−61   

ゲゲゲの鬼太郎』第六十二話「くびれ鬼が死をまねく」の感想です。

今回登場の妖怪は「くびれ鬼」です。原作漫画には登場しない妖怪です。歌舞伎役者の様に両手でひと房ずつ髪を掴んでるデザインが素敵です。
この妖怪は、水木先生の妖怪画集『妖鬼化』に、「縊鬼(いつき)」と言う名前で載っています。
この縊鬼は、東京麹町出身の妖怪で、人に首を括らせて死に追いやるという性質を持っています。先ず、夢の中で首を括ることを約束させ、その後現実世界で実際に死に至らしめるといった話が伝わっています。
今回『鬼太郎』に登場したくびれ鬼は、「死にたい」というキーワードを言った人間を死の世界へと連れて行く妖怪として語られています。伝承の縊鬼とは少々行動が異なりますが、大筋は似た行為をしているようです。
このくびれ鬼は、先ずかなり曲解している上に一方的な事ではありますが、被害者となる人間が死にたいと願ってはじめて人を死後の世界へと引きずり込みます。これは伝承の縊鬼同様に事前に本人の意思を確認して契約しないとならないということを顕しているのでしょう。
ストーリの都合からか、特徴が少し変わってはいるものの、今回の話も良く妖怪を調べているのが分かります。


本編の方も結構面白かったと思います。
ここのところあまり目立っていなかったアマビエが珍しく活躍していました。
作中で本人が言っていますが、アマビエはその姿を見た、或いは姿絵を持っていると幸福が訪れると謂われています。自分で言うと自意識過剰な厭な奴に見えてしまうのが少し残念ですが、解説をする脇役がいないから仕方が無いですね。
くびれ鬼の活躍も中々の活躍を見せてくれて、ホラーな雰囲気が出ていた良回でした。

しかし、今回のゲストキャラのアイドルAYAは衣装とそのキャラクタがあっていなかったように思えます。衣装は現代のアイドル風なのですが、性格や口調が古い時代のアイドルか、アニメのヒロインの様でした。あの格好をしているのなら、もう一寸摺れた感じのキャラクタにした方が良かったのではないかと思います。