本日観た映画

私の後輩の友人に、アニメにもなった人気PCゲーム『恋姫無双』のシナリオライターがいるそうです。
その事実を知った時、酒が入っていたという事もあって、後輩とゲームと『三国志演義』の相違点を色々と熱く語りあってしまいました。
私は『三国志演義』においては、徐庶が一番好きな登場人物です。
徐庶は『三国志演義』の主役劉備に使えた軍師で、作中に最初に登場した戦術家です。
それまで武力のみで戦っていたところに、知略を持ちいて劣勢を覆すといった活躍は、今までに無い展開だっただけにとても強く記憶に残っています。
その後、曹操の計略により魏軍に下りますが、去り際に天才軍師諸葛亮の存在を劉備に教えています。
劉備徐庶の助言を受け、有名な三顧の礼の後諸葛亮を軍師に迎えますが、この三顧の礼があったのは、優秀な徐庶が自分より更に優れている人物だと諸葛亮を推挙したからこそでしょう。もし、徐庶以外の人物の紹介であったなら、幾ら劉備が人徳に溢れた人物であったとしても、目下の者に対してそのような行動は起こさなかったのではないかと思います。
徐庶劉備軍に仕えた時期や功績においては諸葛亮に劣るものの、作中の功績は無視する事が出来ないほど大きく、「最初の軍師」という立場上、インパクトは諸葛亮以上だったと思っています。
ところが、その徐庶が件のゲームには登場しないらしいと聞きました。どう考えてもありえないことでしょう。だって、軍師による戦術を取り入れるといった功績を果たした歴史を変えた人物の一人ですよ。
更に話を聞くと、そのゲームには「関羽千里行」も「泣いて馬謖を斬る」も無いだけでなく、あろうことか「赤壁の戦い」も無いとか。『三国志』の登場人物が美少女になるのはまあいいとして、『三国志』に欠かす事が出来ないイベントや人物が入ってないのはありえないことだと思います。特に、徐庶が居ない所は許せないので、発売日を伸ばしてでも追加しろと言いました。
それを私の後輩は件のシナリオライターに話したそうです。すると、そこまで熱くなるほど徐庶は重要ではないと鼻で笑ったとか。
原作とは掛け離れたものになっていたとしても、仮にも『三国志』をモチーフとした作品を作るのですから、少なくとも私よりかは『三国志』の知識は豊富な人物が製作しているのでしょう。すると、その人がいらないと判断するほど、徐庶知名度が低く、且つ重要性の低い人物なのでしょうか?
実は私の個人的な好みから、徐庶を過剰評価しているだけなのでしょうか?
誰か『三国志』に詳しい人、徐庶の世間一般での評価を教えてください。


そんな事がつい先月あったばかりなので、赤壁を舞台とした映画『レッドクリフ』がとても気になって、見に行ってしまいました。

タイトルの通り『三国志演義』の「赤壁の戦い」のみをクローズアップしている作品です。
蜀の諸葛亮と呉の周瑜が協定を結び、曹操に対峙する緒戦までの話でした。
個人的にストーリ部分はあまり見るところはありませんでした。
見所はなんといっても戦闘シーンです。最初、弓矢を交わして騎兵を突撃させていたので、リアリティのある普通の合戦模様を描く作品なのかと思っていました。
しかし、趙雲が登場すると一変してしまいます。たった一人で何十人という魏の兵を前にして一歩も引きません。
己の武器を失っても、敵の武器を奪って切り伏せたり、挙句素手で敵兵を次々と薙ぎ払う姿は、どう考えても普通の人間には出来ない芸当です。
「桃園の誓い」の義兄弟たちも趙雲に負けず劣らずの獅子奮迅ぶりでした。
美髭公関羽は、十人はいようかという魏兵の鎗を同時に受けながらも、堪えて見たり、単身殿で義軍と渡り合ったりと流石は後に武神関帝聖君となるだけの活躍を見せてくれました。
一方、末弟の張飛は、魏兵の繰り出す槍を平然と受け止めて突進する様が凄かったです。鎗の柄が当たってもひるむどころか、鎗の方が折れる始末。どんな鋼の肉体をしているのかと思いました。
この、超人的な強さを持った武将の活躍こそが、『三国志演義』の面白さの肝だと私は思っています。”演義”なんですから、常識に捕われない胸のすくような活劇を前面に出して行くのは正解だと思います。
パート2は連環の計になるのでしょう。
今回登場しなかった徐庶は次こそ出ますよね?