『ゲゲゲの鬼太郎』5−82   

ゲゲゲの鬼太郎』第八十二話「命カラカラ!赤舌温泉」の感想です。久々にかわうその出番が多かったのが嬉しかったです。
今週は原作及び、アニメ第一期から登場する古参妖怪赤舌の登場です。第二、三、四期で鬼太郎と対決したほか、第一、三期においては妖怪ラリーの審判長として登場した大物です。
敵になっても味方になっても強い妖怪というのは、結構珍しいですね。

出典は鳥山石燕の『画図百鬼夜行』で、水門の上に雲を纏った姿として描かれています。
画図百鬼夜行』において水門が描かれていることから、赤舌は水に関する妖怪だとされていますが、正確なところは不明です。
今期の『鬼太郎』において、妖怪四十七士の青森県代表となりましたが、本当に青森出身であるかどうか分かっていません。山田野理夫の『東北怪談の旅』において、青森津軽の農村で赤舌が水不足の田畑に水門を開いたといった説話が載っているため、青森出身の妖怪になったようですが、そもそもこの『東北怪談の旅』の内容が正しいものだとはいえないそうです。少なくとも、渇水で困っている農村の話はあったようですが、そこに赤舌が登場したといった話は採取されていないようで、『東北怪談の旅』の内容は捏造であるという意見が今は主流になってるようです。
その為、赤舌を青森代表とするのは間違いということになってしまいます。


さて、今回はアマビエが熊本代表の四十七士として覚醒しました。
原作では『新編 ゲゲゲの鬼太郎』アニメでは第三期から準レギュラーとして活躍していた油すましと同郷の妖怪ですから、熊本県の代表はどうなるのかと以前から注目していました。
第五期の二人の扱いの違いを考えると、アマビエの当確は間違いないと思っていました。しかし、アマビエが四十七士として覚醒する話において、油すましの出番があるとは予想していませんでした。てっきり、油すましには一切触れ無い展開になると考えていました。
ところが、今回は話の出だしから熊本県出身の妖怪として、自分を売り込むアマビエと油すましが描かれています。油すましは中止になった温泉旅行の不満を和らげるべく、妖怪横丁の面々の為に品物を仕入れています。一方、アマビエはそんな油すましに対抗するためだけに、水の枯れた青森に事件解決するために出発します。自分の為だと明言して行動を開始するアマビエの酷さも大概ですが、アマビエに充てつけるように店を開いている油すましの腹黒さも見るに耐えない醜さを感じます。
今回の話を見るまでは、三期から活躍していながら、五期でアマビエの台頭により熊本代表の座を奪われた油すましに同情をしていましたが、今日の話を見て、あまり可愛そうだと感じなくなってしまいました。
はっきり言って、こんな不純な動機で行動を起こす輩には四十七士を任せることは出来ません。こいつら以外の妖怪を熊本代表に差し替えた方がいいのではないかと思います。あの二人以外の熊本妖怪といえば、不知火あたりが良いでしょう。


戦闘場面において、鬼太郎が体内電気を使うものの赤舌に通じないシーンがありました。水は電気を通すはずなのに、通じないというくだりです。
目玉親父が作中で純水は電気を通さないと発言しています。
普通、水は電気を通すものだと考えますが、実際には純粋な水は電気をほぼ通しません。
では、以前鬼太郎がかわうその水流に体内電気を発したときは通電したり、アマビエの水流だと大丈夫だったのでしょうか。
細かい説明は面倒なので簡単に言うとこれは、水の中に不純物が混じっていたからです。
水の中に不純物が混ざることにより、電気伝導率が高くなり電気を通すことになります。
この辺りの説明が作中でありませんでした。学校で教わる知識なので、一般常識の範疇に収まるともいえなくもありませんが、この手の知識を学ぶとしたら、中学校以上の理科の教科範囲になってくると思います。
主な視聴者層が小学生の番組において、今回の純水が絶縁体だという事を解説しなかったのは、一寸不親切だと感じました。


一番驚いたのは、川男の再登場です。
前回もそうでしたが、今回もストーリに全く絡まない登場となっていて、何故出てきたのか理解できません。この無意味さがいいのですが。
役回りが無意味な割に、存在感は大きいですね。オープニング曲中にも登場していますので、きっとスタッフのお気に入りなのでしょう。
この川男は、岐阜出身の妖怪です。長身で色が黒いのが特徴。二人並んで語り合っているのを目撃される妖怪とされています。
無意味に伝承に忠実なのもまたいいですね。


今回気になったところは、ねこ娘です。
毎回違ったファッションをするねこ娘ですが、いつもは正直どうでもいいと思っていました。
しかし、今回のTシャツは凄く気になりました。「I♥CAT」がいかにも猫の妖怪らしくて良かったです。