本日観た映画


第9シリーズをもって終了した『Xファイル』シリーズが、6年ぶりに新作を発表したと聞いて見に行きました。
この映画を見終わった後は、まるで「同窓会に出席したよう」な感覚がしました。久し振りに会った知人が、歳をとったものの、以前あったときと同じような雰囲気のまま、そんな気分になります。
六年も間が開いていたため、すっかり老け込んでしまったスカリーと、中年太り気味なモルダーですが、怪現象に対するスタンスは、モルダーが信じようとしてスカリーが否定する役回りと以前と同じままでした。
物語の骨子も昔と変わらぬままで、FBIを退職したモルダーとスカリーの下に超常現象が絡む事件が持ち込まれ、往年のコンビが捜査に乗り出します。起の部分で超能力を用いた捜査を行い、承で一旦成果をあげる。ところが超能力がトリックだと思われる情報を提供して話を転ばして、最期にもう一度ひっくり返す結末となるあたりが、テレビシリーズの作りと全く変わらないままです。
現代の医学・科学技術では前例が無いものの、もしかしたら不可能ではないのかもと思わせるようなネタが込められているのも相変わらずといったところでしょうか。
特に新たなる事実も、隠された真相も出てこない、良くも悪くもいつも通りの『Xファイル』でした。
テレビシリーズが好きだったら安心して見れますが、反面その後の展開がある程度予測できてしまうかもしれません。
テレビシリーズであった政府の陰謀の様な大掛かりな背景は無いようですが、個人的には、事件は収束したものの、現代科学では証明できない事象を解明できないまま話が終わるというスタイルが一番『Xファイル』らしいと思い、また好きなので、今回の映画は非常に良かったと思っています。


ただ、作品そのものを楽しめたものの、今このタイミングでこの映画を作る必要が果たしてあったのか疑問に感じます。
折角完結した長期シリーズ作品なのに、蛇足的なものをつけてしまう必要は無かったのではないかと感じました。


個人的に一番気になったのは、映画の一番最初に出てくる車がトヨタ車だったことです。いや、本編に全く関係ないのですが、現在のアメリカ自動車会社の力関係を反映していると感じてしまって、とても気になってしまったんですよ。
実は、私は先月グアムに行ったのですが、そこで一番驚いた事は、道路を発している車の殆どが日本車だったことです。トヨタをはじめ、ニッサン、三菱といった見慣れたロゴを付けた車を見ると、とても海外に来たとは思えませんでした。因みに、二番に気になったのは、売り家や空きテナントが沢山あることでした。三年前にもグアムには行っているのですが、そのときは入居者がいない物件はあれほど多くは無かったと思います。本土ではないものの、実際にアメリカに上陸して、本当に不況なんだなと実感しました。
アメリカの自動車会社が不調だというニュースは前々からありました。しかし、バブルがはじけた影響もあって、日本車の売り上げが好調と言えない状況だったように思います。それなのに関わらず、私の見た限りでは、半数に近い車が日本車であった事がとても印象に残っていました。
クライスラーやフォード、キャデラック、シボレー等、様々なアメ車があるにも関わらず、あれだけの日本車が溢れているのは意外に感じました。
劇場の日本車が登場するのも、世相そ反映してのことなのかなと思いながら見てしまいました。
それだけに、スカリーの車がフォード社製なのに安心してしまいました。